日本のロールスロイス
トヨタセンチュリーと言えば泣く子も黙るショーファードリブンです。
政治家や経営者などが愛用する日本のロールスロイスです。中でも20年同じ形で作り続けたGZG50型のセンチュリーは今でも都心でよく見かけるアイコニックな車です。今回は2008年式のセンチュリーをじっくりインプレッションして参ります。
トヨタセンチュリーのデザイン
四角いライトに大きなグリル、フェンダーミラーという高級車3点セットです。2008年式はHIDになって、それと同時にガラスから樹脂製のライトカバーに変更されています。
メッキパーツの光沢が位の高さそのものです。
非常にシンプルな形ですが、ボディサイズの制限がないこのクラスはどうやってもかっこよくなります。4つ並んだテールライトはこの世代だとLED。ボディラインは目を凝らして見ると四隅に集められています。本当に美しいし、それでいて日本っぽいデザインなのがとても好きです。
塗装は専門の職人が手掛けており、その光沢がボディラインの美しさを強調します。
トヨタセンチュリーの内装
インテリアはウッドパネルがふんだんに使われた定番の意匠。シート及び内張はファブリックとレザーが選択可能。ただ個人的には高級車の証であるファブリックシートがキャラクターに合っていると思います。
シフトはフロアとコラムが選べて、ステアリングはオプションでウッドも存在します。エアコンの吹き出し口までメッキされている徹底ぶりです。
メーターはデジタルとアナログの融合で、回転数が速度の下にデジタル表示されます。アイドリングは650rpmという低さです。
メインとなる後部座席。ドアがほぼ90°開くので乗り降りがしやすい。後部座席も稼働するので好きなポジションに出来ます。中央の肘置きには他の座席を動かすスイッチが付いているので助手席を前に移動させることも可能。
助手席のオットマンを使うとこんな感じ。この笑顔です。
後部座席から見ると、窓のラインが全て揃っていて極めて視界が良好。分かりやすく言うとセンチュリーの車内には地平線が広がっているのです。
50センチュリーの最大の特徴はこのV12エンジン。出力は国内自主規制の280psですが、トルクは50kg・mと容赦なし。
試乗インプレッション
まずエンジン始動のセルの音。小刻みで高速にキューキュキュキュキュと響いた直後にエンジン始動。
その後一瞬でスンと回転は落ち着いて無音の世界になっていまします。センチュリーのV12はあくまで静粛性を求めた結果でありそれを誇張する必要など一切ないのです。
振動が打ち消しあう点かタイミングの直6を両バンクに備えたV12なのでその振動の少なさは上記を逸しています。文字通りエンジンがかかっていることを忘れてしまうほどです。
アクセルはオルガン式で足を乗せているだけでぐんぐん加速しますが、エアサスで制御されたボディは少しの重心移動もなくフラットに、水面を進む船のように進んでいきます。気づけば100km/hに到達、ロードノイズのレベルも一般道とほとんど変わらないので速度感が希薄です。もはやタイムマシンです。