イタフラホットハッチ
アルファロメオといえばイタリアのスポーティなクルマを作るブランドのイメージが強いです。
基本的に大型車はなく、コンパクトハッチバックとセダン、オープンカーを揃えています。アルファロメオ147は3ドアと5ドアが存在し、エンジンは1.6と2.0の直列4気筒ツインスパーク、3.2LのV6エンジンを搭載したGTAが国内展開されました。今回はその一番下のグレードに当たる1.6ツインスパークを試乗インプレッションしていきます。
アルファロメオ147のデザイン
私が最も特徴的だと思うのはサイドビュー。5ドアの後部ドアのドアノブがピラーに埋め込まれたようなスタイリング。昨今では日本車でも見られるようになりましたが、アルファロメオでは147や156で採用しています。
これによって非常にすっきりしたデザインになり、後部ドアの存在感を希薄にしています。
やや開けにくいのがネックですがデザインが良ければそれで良いと言うデザイナーの声が聞こえてきます。
こちらは後期モデルなのでライトは3連にカバーをしたようなデザインになっています。後の159ではカバーなしの3連ライトなのでそれに唾がるデザインと言えます。グリルはアルファロメオのアイデンティティを形成するパーツ。
リアガラスはそのグリルの形状を模したような下が鋭い形状をしています。ブレラほどではありませんが、147のガラスも中々攻めた形をしていると思います。
よく見るとウィンカーなんかも少し凝っています。アルファロメオでは頻繁に見られるモチーフの統一のようなものだと思います。
テールライトはヘッドライトと同じように後期になって大型化されています。
アルファロメオ147の内装
ハンドルは3本スポークで握りやすいです。スポーク部分は少し山になっていたシャープな印象。
シフトノブは長めなので運転姿勢を崩さずに乗れます。
ハンドルの奥には4連メーター。スピードメーターとタコメーターが大きいのがなんともスポーティ。マニュアル車ですから、タコメーターの存在は重要です。中央のパネルもドット抜けなどなくしっかり写っています。
ペダルは全て長方形です。この画像だと分かりにくいですが、アクセルは1cmくらいオフセットされています。ヒール&トゥが出来るくらいのポジションです。
右ハンドルのイタリア車ですが、ちゃんとフットレストもあるし、ペダルポジションも左右のずれ等なく違和感ありません。
シートはファブリック。おそらく白黒の2トーンですが、かなり汚れています。白い部分はメッシュなので通気性もよく、冬も冷たくないので結構快適。私はあまりレザーを好まないのでこういうので良いんです。
後部座席も同様。イタリア車はこう言う本来チープなものを色使いや形でまとめるのが上手いです。日本車も似たような素材を使いますが、真っ黒で立体感がなくペラペラして見えます。
試乗インプレッション
一般道
1速は素早く、そして軽く3000rpmまで吹け上がりますが、それに対する加速はやや不十分。
2000rpm以降は少しスカスカした加速感です。ただ、マフラーが変わっているので音は気持ち良いです。
1.6Lで120馬力、トルクは14.9kgmです。下道では踏めるパワーです。積極的にアクセルを使って速度調整をします。
シフトはストロークが非常に長くダルい感じ。1速に入っていてもガバガバなので入っているのか不安になります。入る寸前のモリッとした感触は気持ち良いです。
おそらくスポルティーバ用の17インチにインチアップされていますが、乗り心地はややソフト。ドイツ車のような硬さや重さは感じません。実際に車重は1260kgと軽いです。だからこそ1.6でも十分な軽快感が得られるのでしょう。
高速道路
3速で4000rpmほどまで回して快音に酔いしれながら4速にシフトアップ。このくらいの回転数でのシフトチェンジではショックも少なくスムーズです。
ただ、さすがに騒音は中々のもので、100km/h巡行だと3100rpmくらい。エンジン音もマフラー音も響いてきますので、これ以上の速度で巡行するのは憚られます。この辺りはゴルフの素のグレードとだいぶ違います。ゴルフはどのグレードであっても120km/h以上の巡行が快適。アルファロメオ147は下道メインな乗り味でした。
まぁ1時間以内であれば高速道路を使っても良いかなと言う感じです。私は横浜から筑波山まで行くときに約2時間高速をぶっ続けで走りましたが、疲れました。同じくらいの距離を素のゴルフで走ってもなにも感じなかったのでこれは大きな違いだと思います。
積載能力
ハッチバックなので荷物は後ろから積み込めます。ただ、開口部はそこまでワイドではないのでゴルフバッグは入りません。
買い物には困らないでしょう。後部座席は倒すことが出来るので、大きな荷物も積めます。
FFなので深さはしっかりあります。
総評
優れているものを選ぶなら、ゴルフになってしまいます。しかしアルファロメオを所有すると言うのはそういった合理的選択とは離れたところにあるのではないかと思います。アルファロメオ147は伝統のツインスパークエンジンを搭載した最後のモデルであり、価格も安いので初めてのマイカーにおすすめです。
もちろん、こんなクルマでカーライフを初めてしまっては、完全に思想が偏るのでそこはご了承ください。