コンパクトカー唯一のFR
BMWといえば「駆け抜ける喜び」をコンセプトにしたスポーティなクルマ作りです。
そんなBMWは時々頭がおかしいことをするのですが1シリーズはまさにそんなクルマです。このハッチバックスタイルにもかかわらずFRというレイアウトは居住空間を犠牲にして走りを求めた仕様でありBMW以外ではみられません。
今回は2代目の1シリーズであるF20型116iMスポーツを試乗インプレッションしていきます。
BMW116iのデザイン
コンパクトなハッチバックでサイズは3シリーズよりも小さいので日本の道路事情にもマッチしていると思います。
全幅1765mm、全長4335mm、高さも1425mmなので機械式でも問題なく駐車できます。車高はMスポーツだけ少し低いのですがそれでも普段使いに支障はありませんでした。
ボディが短いのを感じさせない伸びやかなサイドビューです。BMWはエンジン搭載位置が後ろにあるのでボンネットがやや長く、ダッシュボードも長い場合が多いです。
こちらはF20型の前期モデルなので前後のライト形状が後期と異なります。ブラックのグリルが締まった印象を与えます。
本来116iは左側一本出しマフラーですがこの車両はレムスの2本出しに変更されています。
Mスポーツ専用ホイールは18インチです。ノーマルでも十分かっこいいですし、18インチならタイヤも選び放題なので良心的です。
BMW116iの内装
前期のMスポーツハンドルは割とムチムチしたデザインの3スポーク。パドルが無いのがやや残念です。
メーターは260km/hまで刻まれていて、タコメーターとスピードメーターの2つだけのシンプルなパネルです。
結局この二つが大事なのでこれで良いんですよ。
F20の世代は所謂電子シフト。Rに入れるときは右横のボタンを押しながらなので間違えにくくて良いですね。左に倒すとマニュアルモードです。シフトの右のボタンでスポーツモードなどのモード切り替えが出来ます。
シートが傑作。F20のMスポーツシートはランバーサポートも調整出来るのであらゆる体格の人がしっくりくるシートになっています。ファブリックなのでシートヒーターが無くても冷たすぎず暑すぎずです。
リアシートは特別良くも悪くもありませんが質感が良いですね。BMWなのでちゃんとトランクスルーも出来て便利です。
最近の日本車と比べると若干安っぽいと感じることもありますが、これはスポーティだからという言葉で片付けたいと思います。
試乗インプレッション
一般道
一番最初に感じるのはステアリングの重さです。
古いクルマほどではありませんが片手でグルグル回せるような軽さはなく、しっかり両手で握る必要があります。
マフラーは始動時のみ大きめの音ですが、走行中は適度に鳴っています。バブリングしたりはしないので上品です。
ブレーキングは結構シビアで、底の硬い靴出ないと調整が難しいです。特に開度50%以上のハードブレーキングで調整するのが難しくなるので注意が必要です。モード切り替えをするとシフトアップのタイミングが変わります。スポーツプラスはあらゆる電子制御が解除されるので使いませんがスポーツだと4000rpmくらいまで引っ張ります。エコプロだと2000rpm以下でポンポンシフトアップしていきます。
下道での燃費は良くてエコプロで10km/Lくらい、スポーツとかだと7km/L程度しか走ってくれません。高速だとエコプロで14km/Lまで伸びます。両方を半分ずつくらい走って平均すると12km/Lほどでした。
高速道路
アクセルを踏み込むとターボの音がようやく聞こえてきます。特にスポーツモードではプシュンプシュン言っているのでターボは高速用なのでしょうか。
1.6Lで136psなので決してハイパワーではありませんがトルクは22.4kgmなので十分です。100km/h出していても2000rpmを下回るので高速巡航は燃費も良く静かで快適です。前期にはディーゼルがありませんから116iが一番低燃費。
高速だと下道で気になったハンドルの重さは感じず、ちょうど良いです。
積載能力
この時代のハッチバックでたまに見るエンブレムがノブになっているタイプ。戻りが早いので手を抜くとポコーンと安っぽい音が響きます。
割と真上に開く感じなので後ろが狭くても開けやすいです。トランクスルーは左右で2:1分割で倒せます。
ゴルフバッグはシートを倒して積むような感じですね。
とにかく便利
使い勝手の良さは抜群。ゴルフなどもそうですが、1シリーズもドアが短いので狭いスペースで乗り降り出来ます。
税金も安いですし、この年式のドイツ車は壊れませんから、初めて外国車を買いたい人にもおすすめ出来ます。
総評
俊敏な走りと利便性、デザイン性を高い次元で成立させています。
私はF20型は前期の方が好きなのでめちゃくちゃ気に入りました。1ヶ月弱、約1000kmほどテストしましたが、これといったネガティブな面は見られませんでした。
1シリーズ最強のM135も是非乗ってみたくなりますね。