伝統の名車
メルセデス・ベンツといえば言わずと知れた高級車ブランドですが、中でもSクラス、SLクラスは歴史のある伝統のモデルです。
特にSLクラスは2シーターのオープンモデルという贅沢な仕様です。今回はその5代目となるR230型後期のSL350を試乗インプレッションしていきます。R230型は前期と後期でかなり印象が異なるマスクではありますがその外見と中身の違いも解説します。
メルセデス・ベンツSL350のデザイン
R230前期は丸が2つくっついたようなライトですが、後期モデルは攻撃的なデザインになってカッコ良くなりました。
前期は優しい顔で後期は強面な感じ。この仕様はAMGパッケージではないのでエレガントな雰囲気です。
マフラーは左右二本出しです。R230の前期と後期でテールライトのデザインに変更はありませんが、LEDになっている気がします。
サイドのフォルムがR230型の大きな特徴だと思います。特にトランクからミラーにかけてのウェッジシェイプがこれまでのSLにはなかったラインです。この形が運転席からの視認性にも貢献しているので良いです。
SLクラスを見て一番ドイツ車を感じるのがこの部分。メルセデスのオープンカーは昔から補強パーツゴリゴリなのですが、しれっとこういうところに仕込んでいます。ドアも分厚くて重いのでこういうところはスポーツカーというよりも、ラグジュアリーカー的要素が強いように思います。
メルセデス・ベンツSL350の内装
ドアを開けるとメルセデスのロゴがお迎えしてくれます。
内装色は薄めのグレーです。ワインレッドの外装にグレーの内装は渋いです。
また、SLクラスにはウッドパネルがふんだんに使われていて、これも上質なイメージを与えます。
ダッシュボードは革張りです。ステッチが入るのですごく高級感があります。BMWやポルシェではオプションだったり、最高峰のモデルでしか見られませんが、SLクラスなら下位グレードでもこの質感。
センターコンソールにはミラー関連のボタンやエアコンパネルが配置されています。シフトノブにはエンジンスタートボタンが付いていて、SLRマクラーレンを彷彿とさせます。Dに入れて右に傾けるとシフトアップ、左でシフトダウンです。ハンドルにパドルが付いているのでそれでも操作可能。
SLクラスの上質なドライブを実現するエアスカーフ。ヘッドレストの穴から温風が出てきて冬なら露天風呂のような気持ち良さです。
シートは硬めで強すぎないホールド感です。
やはりウッドは落ち着きます。
試乗インプレッション
一般道
ステアリングは油圧で癖のない柔らかめのタッチ。忙しく操作する必要がないくらいにはラフですが、かと言って路面の情報が伝わらない訳ではありません。
タイヤサイズは255/40/R18でわだちに取られることもほとんどありません。とにかく路面が全て1段階滑らかになったようなフィーリング。
エンジン出力は316ps/6500rpm、最大トルク360N・m/4900rpmです。NAで排気量がそこそこあるというのもありますが、無理に低速に寄せているようなエンジンではなさそうです。無理なくパワーを引き出せているといった印象です。
ブレーキングはまさにメルセデス。効き始めが穏やかで誰が運転しても乗る人がガクッとならないような乗り味になります。メルセデス・ベンツが疲れにくいのは十分なエンジンのパワーとブレーキングにあります。
高速道路
高速道路こそがSL350のメインステージです。7速のトルコンオートマはスムーズそのもので、7速は巡航ギアという感じです。
100km/h程度の低速巡航は非常に快適で、2000rpmを下回ります。経験した中では100マイル巡航でも快適性はさほど変わりませんので本当に凄いです。多分V8モデルの100マイル巡航がV6モデルの100キロ巡航くらいなキャパでしょう。
この顔が後ろからきたら間違いなく道を譲るでしょうね。
積載能力
ルーフを格納するというのもあって大開口。トランク内にはカバーがあってこれを下ろしていないとルーフの格納は出来ません。
一応ゴルフバッグを1つ積むことが可能です。
総評
とにかく優雅な気持ちになれるクルマです。
この色の組み合わせを新車でオーダーしたセンスの良い人がいるから中古で安く乗れると思うと感謝ですね。同じ値段で買えるクルマでもポルシェだったら安っぽい内装が付いてきますがSLクラスなら2ランクくらい上の上質な内装。
乗っている時に一番目に入るのでやはりここが違うとテンションが上がります。勝ち組になった気分になりたいなら、ぜひお勧めしたいクルマです。