ある意味の完成形
スーパーセブンといえば趣味車の1つのカテゴリーと言えると思います。オリジナルはロータスのコーリンチャップマン氏が60年前に設計したものですがほとんどその形を変えずに今も残っています。
日本ではスーパーセブンという名前で一般化していますが、厳密にはロータスセブン、ケータハムセブン、バーキンセブン、ウェストフィールドセブンなどそのリプロダクションモデルは数多く存在しています。その中でもロータスセブンの製造権を継承しているケータハムが順当な後継となりますが、バーキンはその次くらいに有名ではないでしょうか。
今回はそんなバーキンセブンを試乗インプレッションしていきます。
バーキンセブンのデザイン
デザインは極めてシンプル。エンジンを覆う台形のボンネットの先にセブンの文字があしらわれたグリル。ライトは丸目の二灯です。サスペンションも剥き出しです。
タイヤハウスはタイヤと一緒に動くようになっています。このバーキンセブンは普通に窓がありますが、スーパーセブンには窓がほぼ存在しないモデルもあります。
テールライトは低い位置になっていて、これがある意味でバーキンセブンの特徴です。他にも後ろのロールケージの付け根の位置やフロントロアアームの補強など随所に改善が見られます。
バーキンセブンの内装
もはやどこからが内装なのかが分かりませんがシートは薄いです。この薄さじゃないと座りにくいです。
このサイドのアクリルが乗っていると結構安心感に繋がるパーツだったりします。これがないと腕が剥き出しになってしまいます。
ステアリングは非常に径が小さくてメーターはほとんど見えません。しかもウィンカーはハンドルの右に見えるトグルスイッチなので戻し忘れます。
よっぽどエリーゼの方が乗りにくいです。フルオープンですから、もはや乗りやすい。降りる方が大変かもしれません。基本的に一人で乗るクルマだとは思いますが、一応成人男性二人でも乗れます。助手席は排気ガスで命の危機ですが。
エンジンは1.6LのOHVのキャブです。定番のケントエンジンですね。シンプルなエンジンなので壊れる箇所も少なく信頼できます。また冷却面にはほとんど心配はいらず、むしろ冬季のオーバークールの心配の方があります。
排気系はこのようにバンデージが巻いてあってかっこいい。ケータハムだと出口付近までもう少し太いパイプになっているような気がします。
試乗インプレッション
この小ささ、軽さ、ダイレクト感は世界中にファンがいるのも納得です。ステアリングはフロントミッドのエンジン位置と軽さに助けられて走行中に感じることはほとんどありませんでした。
ペダル類は小さくて狭いところに詰め込んであるので細い靴で運転してください。アクセルは直接エンジンにつながっているのでエンジンオフ状態でもリンケージが動く音がします。ブレーキも当然ノンサーボですから踏力がそのまま反映されます。慣れるまでは全くブレーキは効かないと思ってしまいました。
通常はクラッチ合わせでシート位置を変えますがバーキンセブンはブレーキで合わせるイメージですね。シフトダウンでの1速が入りにくいですが、クラッチの繋がりなんかは全く難しくない。もちろん癖はあるが、数回で慣れます。風も音も何も遮るものがないからこそのこの”ナマ感”がたまりません。
とんでもなく速い上に生きた心地がしません。免許が足りないというよりも命が足りないクルマです。