試乗記

メルセデスAMG A45S 4MATIC+試乗インプレッション|200km/h巡行するための”マシン”

最強のハッチバック

ヨーロッパホットハッチはハイパワーなドイツ勢と軽量で楽しいイタフラ勢に分かれると思いますが、そのドイツ勢の中でも4WDのハイパワーモデルというジャンルが発生しています。

今回試乗インプレするのはメルセデスAMG A45S 4MATIC+エディション1です。200台限定モデルです。2Lターボ4WDなのでライバルはフォルクスワーゲンゴルフRやRS3です。

メルセデスAMG A45S 4MATIC+の外装

ボディスタイルは5ドアハッチバックのみ。エディション1はサイドのAMGステッカーとウィング、カナードが装着されます。

カナードは小さいものが左右に2枚ずつ。GR86のような柔らかい素材ではなく硬い樹脂っぽいです。

ウィングはかなりの迫力。普通のハッチバックにつけるサイズではありません。これがメルセデスの本気です。

その辺のスイフトスポーツが付けている安いウィングとは格の違いを感じます。シンプルながら、一番後ろに少し反りがあります。

マフラーは4本出しです。この世代はCクラスなどですと43と53が丸4本、一番上の63は四角4本。 A45SはAクラスの最上位モデルでもありますが丸4本なんです。

フロントの迫力も中々のものです。縦基調のパナメリカーナグリルとカナードが幅広に演出しています。開口部が巨大で性能のためのデザインであることがうかがえます。

ちゃんと開口部にはラジエーター?が見えています。最近はフェイクの穴を開けるようなブランドもありますから念入りにチェックしました。

この車両はカーボンルーフが選択されています。中古市場を見ても、執筆時点では8台あるエディション1の中で1台のみのレアオプション。

メルセデスAMG A45S 4MATIC+の内装

ステアリングはアルカンターラ仕様でDシェイプに近いです。厳密には3時と9時のところも真っ直ぐになっています。

ステアリングの下にAMGエディションと書いてあります。最近のAMGのステアリングはみんなこんな感じですが、実際に触るとかなり握りやすいです。ボタンも多いですが実際ほとんど邪魔になりません。

ダッシュボードは非常に洗練された印象で、レザーとメタルの使い方が上手いです。エアコンの吹き出し口がめっちゃあります。

メルセデス伝統の殿堂パワーシートスイッチはドアにあります。サイドサポートの調整はダッシュボードセンターのパネルで行います。

ボタンは全て手に届くところにあるので、センターコンソールの奥はドリンクホルダーになっています。

スマホの充電も出来ます。

メルセデスAMG A45S 4MATIC+のシートはゴリゴリのバケットタイプです。リクライニングやサイドサポートの調整は出来ますが、一番ワイドにしてもホールド感は抜群です。シートのデザインも非常にかっこいいです。

後部座席も独立したようなデザインですが、シートベルトの数的には5人乗り。後部座席もこのようにするのはC36や500Eなどにも見られる伝統的なAMGスタイルです。

試乗インプレッション

一般道

初動のステアフィールは電動パワステとは思えないほど”じわっと”効きます。

車重は1.6tありますのでサスペンションの動きは比較的大きく、ゆったりしています。以前試乗したゴルフRよりもさらにずっしりしています。

加速性能は凄まじいです。なんたって420psですから、同年式のゴルフRの310psをはるかに上回ります。一般道であってもロードノイズはかなり入ります。消音する気は無さそうです。快適さはゴルフRの圧勝。メルセデスAMG A45S 4MATIC+は超がつくほどスポーツカーです。

3000rpmを超えるとターボの過吸音が聞こえてきます。2L直4にシングルターボでハイパワーですが、ドッカンターボという感じはあまりせず、ただ大きいエンジンを搭載しているように錯覚させられます。

高速道路

メルセデスAMG A45S 4MATIC+はこのために生まれてきたと言っても過言ではないでしょう。

「420psを出し切るほど踏めない」というのが高速道路で走らせたぶっちゃけの感想です。4WDですし、8速オートマなので手軽に楽しめると思っていましたので驚きました。

メルセデスAMG A45S 4MATIC+のオートクルーズは210km/hまで設定可能とのことで、AMGのイカれた設計思想が垣間見えます。

高速道路ではアクセルに足を乗せているだけで150km/hくらい出てしまいます。メルセデスAMG A45S 4MATIC+は本当に速いだけでなく、それを全面に押し出す演出がなされています。すぐに慣れるクルマではありませんね。

メルセデスAMG A45S 4MATIC+のモードは「コンフォート」「スポーツ」「スポーツプラス」「レース」の4種類。コンフォートだと高速道路で8速まで入りますがスポーツだと6速くらいまでしか使いません。ただ、このクルマは特にシフトダウンしなくてもぐんぐん加速しますので、下道の方がモード切り替えの効果があるように思います。

このケツを見ても絶対に追いかけてはいけません。免許と命が無くなります。

総評

メルセデスAMG A45S 4MATIC+はゴルフRのライバルではありません。

あくまでゴルフRのライバルはA35なんだと再認識しました。メルセデスAMG A45S 4MATIC+の420psという数字はフェラーリ360モデナを上回りますし、ポルシェ911カレラとも並びます。尋常じゃないハイパワーハッチバックです。

車重が1.6t強あるとはいえボディサイズは小さいですから面白いに決まっています。

 

 

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