マツダが誇る世界的名車
ユーノスロードスターはコンパクトで運転が楽しいオープンカーの代名詞です。
1tを切るボディにギリギリ足りる1.6Lのエンジンをマニュアルで繰るなんて、聞いただけで楽しいでしょ。今回はその初代ロードスターを試乗インプレッションします。
ユーノスロードスター(NA)のデザイン
今回試乗インプレした車両は1993年式のロードスターSスペシャルです。ソリッドブラックの外装にゴールドスポークのBBSホイールがこの仕様の特徴です。
この車両はサーキット用に牽引フックとブリッドのフルバケットシートが追加されています。ほとんどセンターに着座するスタイリングは、オープン専用モデルであるボクスターやMR-Sなどにも共通して見られます。
フロントから見るとロータスエランに似ています。まぁコンセプトや、機構を見ると日本版ロータスエランと言っても遠くないかもしれません。
今のロードスターはユーノスブランドではありませんが、当時はユーノス。バッジとかもメタルでシンプルながら凝ってます。
この丸っこいボディラインと、ウィンカーやミラーなどの形状がマッチしています。最近のクルマにはない線の少ないデザインは美しいです。今もマツダのデザインは素晴らしいですが、ユーノスロードスターは別格。
マフラーはノーマル、車高が丁度良く下がっていて速そうな雰囲気です。ロールバーが見えているのがまた良いです。このロールばーは乗ってみた感じ、開放感を邪魔しないので剛性感も良くなっています。必須パーツかも。
タイヤはプニプニの扁平率60。車高が下がっていても、このタイヤなので乗り心地は不快ではありませんでした。
ユーノスロードスターの個人的な推しポイントはドアノブ。サイズは親指がピッタリ入るくらいの小さなものですが、その丸みというかハマり感が気持ち良いです。
ユーノスロードスター(NA)の内装
ドアを開けるとプレートがお出迎え。FDでもありましたがマツダ演出なんですかね。
内装はこの写真だけで全部写ります。
ハンドルはナルディのディープコーン。シンプルな計器類とインパネです。
タコメーターとスピードメーターが同じサイズなのでこの二つの存在感が強いです。
トランクは最低限ではありますが、二人での旅行なら難なくこなします。
試乗インプレッション
一般道
一般道ではとにかく動きの軽さが楽しいです。
ハンドル操作、シフト操作、ペダル操作を常に強いられるマシーンです。私が特に気に入ったのはアクセル。まるでエンジンに直接足を付けているようなダイレクト感です。ペダルポジションがやや特殊で、右に寄っています。座った右足の先にブレーキがあります。その右にアクセルがあるので足は少し広げるようなポジションです。
ユーノスロードスターは"エンジンにボディが被さっているクルマ"っていう印象が強かったです。クラッチは軽く、つながるポイントは広いですが、少しアクセルを煽る必要があります。
エンジンは120ps/5500rpmと数値だけ見れば非力ですが、制御系のパーツは何もないのでこれ以上は怖いです。3000rrpm位までのパワーと4000rpm以上で2種類くらいのパワーの出方がありますが、回転数が上がる割には加速しないという感じがします。免許に優しい。
パワステは付いていて、ハンドリングも少し軽めです。肩肘張って運転するようなクルマではなく、基本ワンハンドステアなんでしょうね。左手はシフト操作、右手でハンドル操作です。頻繁にシフトチェンジするクルマなのでこれが丁度良いんです。
ロールバーは多分効いているんでしょうけど、普段ドイツ車ばかり乗る私的にはフニャフニャです。前後にボディがしなるというと大袈裟ですが、リアとフロントガがっちりくっ付いている感覚は希薄です。
高速道路
幌を占めていても外の音はほぼ聞こえてきます。
全く快適ではありませんが、ガチャガチャ、カタカタ色んなところから音が聞こえてきて愛おしくなります。ハンドルが取られるので法定速度以上出そうとは思いませんでした。加速性能としては十分で、速度だけは出ます。ただ怖くなるので気づいたら80km/hくらいで走っていました。
総評
オープンカーとして作られたクルマって実は少なくて、専用設計だからこそのデザイン性や剛性感、バランスが味わえます。
ユーノスロードスターは全てがダイレクトでした。エンジンにしがみついて風に吹かれながら乗るクルマです。ボディはあくまで付属品であり、ドイツ車のような”土台感”はありません。しかしそれこそがロードスターがロードスターたる所以です。
トラブルも少なく、マツダは今でも純正パーツを供給しているというのもこのクルマの魅力を増している部分だと思います。