試乗記

アルピナB3 3.0/1エディション30試乗インプレ|本物を知るものだけが価値を理解する

アルピナの限定車

そもそもアルピナというメーカーは、生産台数に限りがあるので少数しか輸入されませんが、その中にも限定車が存在します。

今回試乗させて頂いたのがE36世代のB3の限定車、エディション30です。アルピナ創立30周年を記念して作られたモデルで、セダン、クーペ、カブリオレが存在します。カラーはアルピナグリーン、アルピナブルー、テクノバイオレットの3色。

今回はアルピナグリーンの個体を特集します。

アルピナB3 3.0/1 エディション30のデザイン

E36の端正なデザインを損ねることなく、フロントバンパーの拡大とウィングを追加。

この個体はM3用のミラーを装着しています。

テールライトは、オレンジからクリアに変更。マフラーもアルピナ専用の楕円二本だしです。

17インチの20本スポークはこの時代の3シリーズに入るギリギリのサイズ。直線基調なサイドビューを強調した車高のバランス。あくまで走ることを考えて作られているのが滲み出ています。

E30から、一気に現代的になったデザインながら、キドニーグリルと丸目四灯というアイコンは継承しているのでBMWらしさを強く印象づけます。

アルピナB3 3.0/1 エディション30の内装

内装は非常に豪華です。アルピナは比較的質素な内装のモデルが多いですが、エディション30は青のファブリックとレザーのコンビシートが奢られます。

さらにウッドパネルとオプションのスイッチトロニック付きステアリング。

助手席のウッドにシリアルナンバーが書かれます。

メーターはアルピナらしく青になっています。メーターの手前にはこれもおそらくオプションだった計器類が追加されています。細かい温度やスイッチトロニックONの時のシフトポジションが出されます。

トランクもしっかり確保されており、利便性も高いです。

試乗インプレッション

エンジンをかけると、少しシャリシャリしたアイドリング。E46よりも前の世代のエンジンらしいメカニカルサウンドが聞こえます。

ステアリングは重めですが、その操作に対する身のこなしは軽いです。車重はわずか1.3t強で、250馬力の3L直6からしたら軽量と言えます。

少し踏んでみると、高い音が混ざってきます。この感じはE34のB10 3.5に通ずるものがあります。それもそのはず、E36の左ハンドルは等長エキマニが入っています。排気干渉の少ない澄んだ音になっているわけですね。

高速に乗って本領発揮です。どこまでも踏めるスタビリティ。ステアリングの操作感も、アクセルレスポンスも、速度域に関わらず一定です。

高速道路での乗り味は、下道よりもさらに軽くなった印象です。細かいコーナーに切り込んでいく姿勢はF30のB3や同世代の5シリーズベースのアルピナには無い鋭さがあります。使い切れる250馬力、軽快なハンドリング、BMWの真骨頂はやはり3シリーズにあります。

古き良き時代とは言ったものですが、私もそれに同意します。ウッド、やファブリックの内装、ピストンやカム、エキマニまで徹底的に手が入った”ホンモノ”だけをかき集めたクルマです。そりゃ完成度が高いに決まっています。

 

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