デザインだけで売れるクルマ
フィアットは大衆車メーカーの代表格で、フォルクスワーゲンやトヨタと似たような位置付けかと思います。
しかしフィアットの独自性は”デザインで勝利する”という点にあると思います。フィアット500は復刻デザインとして生まれましたが、そのサイズ感とパッケージの良さから世界各国で爆売れ。日本では全国どこでも見るレベルです。
この記事ではそんなフィアット500を試乗インプレッションしていきます。
フィアット500のデザイン
この個体は1.2Lの4気筒エンジンを搭載したモデルで、ガラスルーフを持ちます。
メッキ仕様のミラーはオプション。クラシックなスタイルを再現するためにフロントにヒゲのようなメッキパーツを付けている個体などもみますね。
各所にメッキパーツが使われているのがクラシックさを演出します。こういったお金をかけないけどデザインを良くすることにおいては、イタリア人に敵うことはありません。
エンブレムはクラシックなものにカスタマイズされています。よく見るとボンネットの凹凸も往年のヌォーバチンクエチェントを思わせます。
フィアット500の内装
同じくデザインで売れているミニとは違って、3ドア以外作らないのもイタリアン。
比較的大きいドアなので乗り降りの際は寄せ過ぎ注意ですが、そもそも小さいので気にならないでしょう。ドアもさほど分厚くないです。
ボディ同色のダッシュボードもコストをかけないおしゃれ。エアコンパネルもシンプルです。
メーターは内側にタコメーター、外側にスピードメーターというスタイル。もちろん、80km/hくらいからハンドルに隠れて見えません。
ウィンドウスイッチもシフトノブ付近にあるのでドアパネルにはハンドルだけ。非常にシンプルです。
試乗インプレッション
フィアット500の国内正規モデルのATはシングルクラッチのセミオートマです。アメリカ向けだとトルコンもあるのかもしれませんが。
クリープのない始動はそれなりにギクシャクします。特にバックギアは思ったように動かないこともあるので小さいですが慣れがないと駐車に手こずります。
走り出してみると、そのキビキビ感がクセになります。元気いっぱいなんですよ。馬力やトルクは知らなくても良いほどしかありませんが、下道では不足なし。高速道路では基本的に左の車線に居たくなります。
セミオートマの変速スピードは絶妙にかったるく、マニュアル車を乗ったことがある人なら必ずマニュアルモードで運転することになるでしょう。フィアット500はオートマ車として乗るべきではありません。あくまでクラッチがないマニュアル車です。