試乗記

フォードモンデオST220試乗インプレッション|究極の人馬一体を体験せよ!

欧州フォードの名車たち

フォードというとアメリカの自動車メーカーというイメージが強いですが、世の中には欧州フォードという国籍不明のブランドが存在します。

特にラリーで活躍する車両のベースとなるのがこの欧州フォードのフィエスタやフォーカスでした。古くはコルチナやカプリなどがありますが、今回特集するのは現代の欧州フォードで取り上げなければならない名車モンデオST220です。日本国内ではあまりヒットしなかったのですが、イギリスを始めとするヨーロッパでは評価の高い人気モデル。

フォードモンデオST220のデザイン

モンデオ自体はミドルサイズセダンなので、デザインはかなり控えめです。後期型はメッキパーツが使われているのでまだ差別化がされていますが、前期はベースグレードと見分けにくいです。

FFなので日本車で言えばカムリ、ヨーロッパ車だとアルファロメオ159あたりのサイズ感です。ボディカラーはパフォーマンスブルー。

後期はマフラーの上あたりにリフレクターが付きます。ライトのメッキも後期のみ。ボディラインは非常にシンプルですがフェンダーが力強さを印象付けます。これでも全幅は1810mmなので日常使いには困らないサイズです。

ミラー越しに見るボディラインは案外角ばっていてシャープです。226馬力というスペックは控えめに思えるかもしれませんが、あくまでSTは上位グレードなだけであってハイパフォーマンスモデルとは限りません。実際フォーカスにはSTよりも速いRSが存在するくらいですから。

フォードモンデオST220の内装

ステアリングやシフトノブ、サイドブレーキの赤いステッチは後期のST220専用です。

ハンドル径は大きめの4本スポークです。

メーターも専用品の280キロスケール。この2000年代前半の上級モデルっぽさが感じられます。

センターのパネルにはなんとアナログ時計があります。

トランスミッションはモンデオST220専用のゲトラグ6速マニュアル。モンデオST220にはこの6MTのみ。

シートは専用のレカロのフルレザー。シートのサイズは少し大きめですが乗り降りはしやすくホールド感も満足なレベル。

サンルーフ付きです。

試乗インプレッション

フォードモンデオST220はとにかく味付けの統一感が素晴らしいです。ステアリングのダイレクト感、シフトのリニアな操作フィーリングはまさに人馬一体。約1.5tのボディに226馬力というのは別に速くないんです。しかし速度を効率的に取り出すセッティングはさすがです。

6速というのがいかに贅沢かがわかります。6速で高速巡行していてもシフトダウンせずに加速できるのです。この組み合わせのちょうど良さは正直中々体験できるものではありません。

実はこのV6はポルシェやコスワースが関わっているエンジンでして、アストンマーティンDB9の半分なんです。このエンジンを二つくっつけたものがDB9のV12ということですね。そう考えると確かに馬力もほぼピッタリ半分。

電動パワステの世代でも絶品のステアリングな欧州フォードですが、モンデオST220は油圧パワステ。そりゃもう私の大好物なタイヤに繋がっている感じが伝わってきます。そしてアクセル。もはやエンジン触っています。振動の少ないエンジンですが、踏んだ時の鼓動が足に伝わります。この感じはまるでNAロードスターです。

 

 

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