GTAの名を冠した最上位モデル
アルファロメオ147は日本ではプレミアムコンパクトとして売られたハッチバックモデルですが、その最上級がGTAです。
この小さいボディに3.2LのV6を無理やり詰め込んで、250馬力を発揮させたFFモデル。当時のヨーロッパホットハッチはエンジンをミッドに配置したクリオV6やゴルフR32などそれはそれは熱々のモデルが群雄割拠していました。それに対するアルファロメオの答えがまさに147GTAだったわけですね。
アルファロメオ147GTAのデザイン
ボディカラーはスターリンググレーメタリック、ホイールはGTスポルティーバ用18インチを流用しています。盾グリルがバンパに埋め込まれたようなスタイルで、ライトとグリルの間にも開口部が設けられています。
バンパー下部からも空気が入るようにしてあり、まさにハイパフォーマンスモデルのマスクです。
147GTAは3ドアのみでトランスミッションは6MTとシングルクラッチセミオートマのセレスピードが選べました。マフラーは左側に2本出し、この車両はアーキュレーのものに変わっています。
ボディは少しワイドになっていて迫力があります。ハッチバックの中でもこのスタイリングは傑作だと思います。
これもデザインの一部です。歴史上ここまで美しいエンジンが他にあるでしょうか。GTA用のサージタンクは赤い文字でGTA 3.2 V6と書かれます。
アルファロメオ147GTAの内装
内装は普通の147とほとんど変わらず、ダッシュボードの中央が少し盛り上がった立体的なデザイン。
シートは147GTA専用のセミバケットタイプです。実際座ってみるとサイドサポートは控えめかつソフトなのでそこまでホールドしません。ゴルフRのシートと形状は似ていますがあちらの方がホールドします。
でもかっこいいから良いのです。オレンジっぽいイモラのシートが人気ですが、シンプルなブラックのレザーも悪くありません。個人的にはあまり見かけませんが、ファブリックが滑らなくて良いと思います。
試乗インプレッション
エンジンをかけた瞬間から鼓動が高まります。なんでしょうこの高揚感は。アルファのV6は何台か経験がありますが、GTAは高音がよく響きます。トルクもモリモリで効率的に速度に変換して走ります。
NAの250馬力はどの回転数でもノーズをツンと浮かしながら気持ちよく加速していきます。クラッチは社外品が装着されており、ペダルの戻りは少し抵抗が強くアクセルとの連動が必要。もちろん運転はしやすく、2~3回発進すればミートポイントも分かるでしょう。
3000rpmを超えると波打つように回転数が上がっていき4000rpm付近で一度割れるような音がします。この儚さを感じる官能的なエンジンサウンドはアルファのV6の中でもGTAが特に顕著です。高速道路で100km/hで巡航していても2500rpmと、踏みたくなるところにいるので結果踏んでしまいます。免許がなくなっても本望と思える、ワクワクする車です。