10万キロは過走行?
よく中古車を買うときに10万キロという基準を設ける人がいます。
これは販売店が10万キロで買い替えした方が良いとか、買取価格がガクッと下がるとかそういった理由だったりします。しかし、10万キロでいきなり壊れるわけでもないわけです。
つまり大した理由はないのです。今回は特に外国車において10万キロ超えの中古車を買うときのメリット・デメリットを解説したいと思います。
10万キロ超え中古外車のメリット
- そもそも世界戦略車なので耐久性が高い
- しっかり整備されている可能性が高い
- 弱いパーツを交換されている可能性が高い
- 販売価格が安い
世界戦略車である
世界戦略車とはワールドワイドでの販売を想定して設計されたクルマのことです。
日本に輸入されている外車はほとんどがアメリカや日本で売ることを考えられています。逆に言えば日本車の中古車でも同じことが言えます。軽自動車のように日本でしか販売していないクルマよりもプリウスのようにどの国でも売られているクルマの方が耐久性が高いことが多いです。
海外の中古車サイトを見ていると20年落ちで20万キロなんてザラですし、特にそれで特別安いということでもない場合もあります。そう考えるとたった10万キロで価格が安い日本は良い国だなと思ってしまうほど。
私のおすすめは、気になったクルマを海外の中古車サイトで探して、走行距離が多い順に並べ替えてみることです。そうすると、そのクルマ本来の耐久性がある程度わかるでしょう。20万キロ個体がゴロゴロあるなら10万キロで買ったとしてもあと10万キロくらい走ることは期待できます。
整備されていないと10万キロは走れない
流石に耐久性が高いとは言っても機械なので整備されていないと10万キロはやはり走れません。
新車価格が安くない外国車は最初のオーナーが経済的に余裕がある人が多いです。そのためしっかりと整備されている可能性が高いと考えられます。例えば過走行車両の多いアルピナやメルセデスベンツ500Eなどはハイパフォーマンスカーでありながら15万キロ超え個体が非常に多いです。これらは新車価格も高かったし、マニアックなクルマなのでしっかりと整備されているものが多いですね。
逆に、一度値段が大きく下がってしまったことがあるクルマ、所謂不人気車はその安い期間にケチなオーナーに渡った可能性がありますので注意してください。私が乗っているポルシェ928もその期間に乗り潰されてしまったものが多いと聞きます。
弱点が克服されている
10万キロも走るとそのクルマの弱い部分も露わになります。
ポルシェ928で言えばもはや消耗品であるトルクチューブ。整備記録があれば何万キロで交換したかが見ることが出来るのでそういう意味で整備録がしっかりしている中古外車には価値があるわけですね。20万キロとまでなると弱点部品を複数回変えていることも多く、その個体がどのくらいの周期で修理が必要になるのかを予測することも出来るでしょう。
また、明らかな弱点部品は対策品やリビルト品も豊富である可能性が高いです。そう言った意味でも整備記録がしっかり残っているというのが大事なんです。
販売価格が安い
これは最大の魅力です。新車時1000万円の車が200万円になってしまうこともありますからね。
中古市場の価格は需要があるだけ高くなる市場の原理が働くので、10万キロ超えの過走行車は安いです。ただ今上げていったメリットを考えるとやはりお得です。
買ってから修理していくことで愛着が湧いてきますし、そのクルマを後世に残していく担い手になった気分になれます。どんなに燃費が悪いクルマでも、整備にお金がかかるクルマでも初期費用が安ければ大概ペイできます。
10万キロ超え中古外車のデメリット
- 一部車種は危ない
- パーツが高かったり無いことがある
一部車種は危ない
そもそもたくさん走ることを想定していないクルマもあります。
想像に難くないですが、フェラーリやランボルギーニ(アウディ以前)、マセラティなどのハイパフォーマンスカーです。特にフェラーリやランボルギーニはサーキットでの高い負荷に耐えられる反面長距離走り続けるのは苦手なクルマとも言えます。
イタリア車は日本の気候に合わないというのもありますがよく壊れると言われています。実際、Twitterでは毎日のようにレッカーされているアルファロメオの写真を見ることができます。
パーツが高ければまだマシ
旧車の宿命はパーツ問題です。
弱点パーツはネットで調べるだけでは中々出てこないこともあるのでオーナーに聞くのが一番良いです。Twitterやインスタグラムでオーナーを探して会うのも良いでしょう。もしかしたら売りたい人や紹介もあるかもしれません。
問題は、パーツがないことです。この辺りもオーナーに聞くことがベストです。今はeBayなどで海外から持ってくることも容易なので案外入手できることも多いです。年式的に古くても、人気の車種(MINIや911)であればパーツに困ることはほとんどありません。
憧れたクルマなら大丈夫
まぁ色々言いましたが、憧れのクルマであれば何とかなりますし、壊れても愛着が湧くだけなので特に問題ないと思います。
もちろん、乗れない期間が長くなる可能性はあるかもしれませんが、その時に自分がどういう気持ちになるのかを知るというのは今後のカーライフのスタイルを確立する良いチャンスです。
寄り道せずにいきなり憧れのクルマを手に入れて、勉強しながら維持していくのも豊かなカーライフだと思います。