整備記録

ポルシェ928S4は壊れるのか?弱点部品やパーツ供給状況を分析

専用パーツのオンパレード

ポルシェ928は911とは全く別のクルマとして作られており、コンセプトからレイアウト装備まで大きく異なります。

特にエンジンはV8ですし、フロントに搭載しています。水冷でトランスアクスル。当時としてはハイパワーなクルマですから、消耗パーツも多く存在します。その中でも、私の車両がこれまでに受けてきた整備を振り返って、弱点部品とその交換費用を洗い出してみます。

不動になる故障

基本的に丈夫なクルマですし、言ってもポルシェですから変な故障はありません。928で不動になる故障は以下の通りです。

トルクチューブ

トルクチューブはどのクルマにも付いているわけではなく、928や944のようなトランスアクスルのクルマにだけ存在します。

トランスミッションとエンジンを繋ぐパーツです。通常はエンジンとトランスミッションが直接接続されていますが、トランスアクスルでは離れているのでそれを繋いでいるというわけですね。

したから見ると太いパイプがあるのですが、これはケースであり、実際に働くのは中にある親指ほどの太さのものです。

前触れなく断裂することがあります。そこまで頻発するわけでもありませんが、断裂するとエンジンだけ回転して進まなくなります。エンジン自体にダメージは来ませんがリビルトパーツを海外から取り寄せるしかないので不動期間が長くなるリスクがあります。不動期間は短い程よいのでこのパーツは持っておいた方が賢明です。価格は送料を入れても20万円弱なので、928を持つならストックしておきましょう。

トランスミッション

マニュアルのGTはクラッチ交換すれば良いですが、オートマの場合はオーバーホールが必要になります。

基本的にあバックギアから壊れるように出来ているようですが、3速に入らないという個体も見るので正直運の要素もあると思います。私の車両は28万キロでミッションオーバーホールをしました。ストップ&ゴーが多い都会ではもっと早く寿命が来ると思います。

所謂”滑る”という症状が出て、アクセルをオンにしても進まなくなります。エンジンが一気に吹け上がるのではなく2000rpm以下でモゴモゴ言い出します。急に加速したりして怖いのですぐオーバーホールしましょう。

928で20万キロ走れる人はほとんどいないのであまり気にしなくて良いと思います。費用は70万円ほど。

基本的な整備

オイル類

エンジンオイルは合成油ではなく鉱物油が指定されています。時期によって指定は変わりますが3000kmくらいでの交換が推奨。

1500km走行で1L減るというのが公式の見解ですが、私の個体は3000km走ってもほとんど減りませんので個体差が大きいと思います。

ATオイルは2万kmでの交換が推奨です。頻繁に交換した方がATミッションの持ちも良いです。

クーラント

密閉された冷却システムですから、リザーバータンクには圧がかかります。

そのためだんだん傷んでくるので漏れが確認されたら、頻繁にレベルをチェックしましょう。私の個体は何度か漏れましたが、放置していたら治る自己治癒力があったのでとりあえずは様子見しています。水温はメーターで確認出来るのでもし100度を超え始めたら渋滞から離脱したり数時間冷やした方が良いです。

常に100度近い当時のメルセデスとは違い、ポルシェ928のエンジンは大体85度くらいを保つので混んでる道や真夏は特に注意してください。特にオーバーヒートしやすいわけではないのですが、現代のクルマのように乗るのはおすすめしません。

走行時の注意点

ブレーキオイル

エンジンが加熱してそれが長時間継続すると、ブレーキオイルの温度が上昇して所謂ブレーキ抜けが起こります。

これは基本的に渋滞した状態での症状なので、路肩に止めて冷やせば大丈夫です。

ガソリン量

燃費はもちろん良くありませんが、100km/hでの高速巡航では10km/Lくらい走ってくれます。ガソリンはこまめに入れることをおすすめします。単純にガス欠しないようにというのもありますが、当時のタンクはそこまで高性能ではないのでガソリンが少ない状態で強い横Gがかかるコーナーでノッキングを起こすことがあります。

ポルシェ928のガソリンタンクは80L。911が60Lくらいなので、やはり長距離をストレスなく旅するためのグランドツアラーといった感じですね。燃費が悪いのが嫌な時は、ガソリンを入れた量を見ない、レシートを見ずに捨てるのがおすすめです。これによって精神の安定を手にすることができるでしょう。

ステアリング

これも当たり前ですが、末ぎりは可能な限り避けてください。

最小回転半径は5.4mと小回りに見えますが、実際はそんなこともありません。駐車する時は楽ですが、転回はハンドルが重いのもあり大変です。ステアリングラックのオーバーホールもやってくれるところはありますが、出来れば避けたいトラブルですね。

困ったらここで調べる

アメリカの928専門サイトです。調べやすさと、在庫の分かりやすさが素晴らしいのでよく利用しています。ペイパルでの支払いも出来るので日本への配送も問題ありません。

https://928srus.com/

こちらはイギリスのサイトです。あまりストック在庫がありませんが、メールを送るとすぐに返信してくれるので問い合わせてみましょう。

https://www.eurospares.co.uk/Porsche/928

あとはポルシェクラシックのページでも探すことが可能です。ここでは注文したことがないので分かりませんが「ウィッシュリストに入れる」と書いてあるので受注生産なのでしょうか?

https://content.eu.porsche.com/prod/pag/classic/ClassicExplorer.nsf/ClassicPartsExplorerProduct?ReadForm&country=international&se=Transaxle&ge=928

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